マサチューセッツ州でオフィスを探している人のためにco-working spaceをまとめてみました!
実は,先にインスタでスライドをシェアしたのですが,
スライド内の字を大きくして
解説がもっと聞きたい
1度のポストに情報が多すぎる
等のフィードバックをいただいたので(Thanks!)改めてまとめてみようと思います。
ボストンには沢山のco-working spaceがあり,創業まもないスタートアップに限らず,日本企業から少人数の駐在員にも利用できるところが多くあります。一方で,良いオフィスは入居の競争が激しかったり,スタートアップにとってはビジネスの審査をされたりするところもあります。各社,入居者のproductivityが上がるようなオフィス設計,ドリンクやスナック無料などのベネフィットや,コミュニケーションの増加やネットワーキングの機会のためのソフトウェア面(イベントなど),様々な工夫をしています。
たとえば,私が過去に日系企業の駐在員として1人用のオフィスが必要だった時は,出来るだけ小さい,けどモノが置ける,即入居可,と言うことがポイントだったので,各自の優先事項により選んでください。
今回は,特に,ライフサイエンス分野のスタートアップ視点でどのような選択肢があるかをまとめてみました。賃料・使用料さえ支払えば使えるところ / アプリケーションが必要なところ / 合格したら一定期間無料で使えるところ etc. があります。そこで,オフィスの種類を大きく2つの軸で,4種に分けられると考えました。1つ目の軸は,Wet lab(ベンチ)付きか,オフィスのみかと言う点。2つ目の軸は,入居にビジネスの審査がなされるか,お金さえ払えば入れるかと言う点です。
左下:オフィスのみ・一人単位ですぐに使用開始可
ここが一般的に”Co-working space” と言われた時に真っ先に思われる類のオフィスです。
WORKBAR (workbar.com/)
MA州に11拠点あるco-working。一日単位や使い方によって様々な料金プランがある。Quietスペースと会議可能スペースが分けられている。モダンな装飾で静か。
Regus (regus.com/en-us)
英国法人で全米に1029拠点,うちMA州に22拠点ある老舗co-working。月単位,珈琲すら含まれない最低限のサービスから。シンプルな装飾。
SPACES (spacesworks.com/)
オランダで創業され,全国に497拠点,うちMA州に3拠点(Bostonに2箇所とSomerville)あるco-working。Co-workingのメンバーシップは同グループ内のRegusやHQ, Signature全てにアクセスが可能
CIC (Cambridge Innovation Center) (cic.com/)
1999年創業の日本を含む4カ国10拠点にあるco-working。月単位から借りられる。スナックやシャワー,コミュニティイベントが含まれる。姉妹組織のVenture Cafeが毎週イベントを開催。カラフルで賑やか。私はボストンへ来た直後CICの一人用オフィスを借りました。またCICに勤務しアクセラレーションプログラムを運営した経験もあります。
WeWork (wework.com/)
2010創業の日本を含む4カ国10拠点にあるco-working。ソフトバンクが投資後に経緯が悪化し話題になった。
Waltham Works (walthamworks.com/)
Waltham市にあるco-working。CambridgeやBostonに比べ安価で借りられる。Walthamエリアは,近年高騰しすぎたCambridgeやBostonの代替案として,新スタートアップ集積地として注目されているエリアの一つ。
右上:WETラボ付きスペース・評価される
LabCentral (labcentral.org/facilities-services/)
CambridgeにあるNon profitのラボ付きco-working。MA州の補助金で設立され,さらに拡張中。創立者はMission Bio Capital (後述のVC) の投資家。
biolabs (biolabs.io/)
創立者はLab Centralと同じだが,for profitで日本(川崎市)を含む4カ国15拠点でラボ付きco-workingを運用代行する会社。MA州には2ヶ所,Boston (Tufts大学) とWatertownにある。
Portal Innovations (portalinnovations.com/boston-expansion/)
シカゴベースのVC, Portalが2023年,Bostonに進出しラボ付きco-workingを開設。2024年にいは50,000 Sqftに拡大予定。
右下:WETラボ付きスペース・評価されない
ALEXANDRIA (alexandrialaunchlabs.com/cambridge)
米国内全6拠点,MA州はCambridgeにあるラボ付きco-working。early-stageのスタートアップはAlexandria Venture Investments (VC) の支援に応募可能。
SmartLabs (smartlabs.com/)
米国内全8拠点,うちMA州に5拠点あるラボ付きco-working。臨床試験のあらゆる段階に合わせvivariumからpilot scale manufacturing suite, cleanroomまでカスタマイズ可能。
LabShares -Newton- (labshares.com/)
NewtonからCambridgeまでの通勤に嫌気がさしたスタートアップのCEOが会社の跡地を使い創設。ボストンは道が古く,高層道路含め近代の効率的な設計になっていないため渋滞がひどい。また街中は駐車場が高い(1時間$50近くするところもある)ため,車通勤は大変なんです。
左上:ヘルスケアアクセラレーター
MassChallenge (masschallenge.org/programs-healthtech/)
イスラエル,メキシコ,スイスにもco-working拠点を持つNPOが,デジタルヘルス企業のスケーリングを対象に,Bostonで運営する約2ヶ月間の支援プログラム。
Mission BIO Capital (missionbiocapital.com/platinumprogram/)
LabCentral,BioLabsの創業者のVCが,Eli Lillyをスポンサーに毎年創薬企業の支援プログラムを運営。受賞企業は,$500Kと3年間のWETラボ付きco-workingの使用権を得る。
M2D2 (uml.edu/research/m2d2/)
マサチューセッツ州立大学(通称UMass Lowell)のMedical Device Development Centerが運営する,医療機器企業対象の支援プログラム。受賞企業は約1ヶ月間の支援と$200Kを得る。
番外編:ヘルスケア以外の分野特化のCo-working space
GreentownLabs (greentownlabs.com/): Clean-tech向け
2011年に複数のスタートアップが集まって出来た,Somerville市にあるClimate-tech, Clean-techのスタートアップのためのプロトタイピング施設,ラボ付きco-working。日本企業のスポンサーも多い。2021年テキサス州へ進出した。
AUTODESK (autodesk.com/technology-centers): 建築・機械向け
AutoCADソフト会社AUTODESKが,英国 (Birmingham),カナダ (Toronto),米国 (San Francisco, Boston) 全4拠点に大規模なプロトタイピング施設付きco-workingを運用。Bostonの拠点は建設関連の大型製造装置も揃う。
MassRobotics (massrobotics.org/): ロボティクス向け
Bostonにあるroboticsとautomationのスタートアップのためのプロトタイピング設備付きco-working。
Venture Lane (https://theventurelane.com/space/): B2B Software向け
BostonにあるB2B Software(デジタルヘルス,EC,エドテック,フィンテック等)スタートアップのためのco-working。Studioと言う3.5ヶ月の支援プログラムも合わせて持つ。
最後に,
このようにさすがスタートアップエコシステムのあるボストン!
Boston市に限らず周辺に多くのco-working spaceが存在します。各自のニーズ,予算,通勤など,優先事項に合った場所を選んでください。多くのオフィスがツアーを提供しており無料トライアルもあります。
また,MLSC (Massachusetts Life Science Center) やMassEcon にも,一部まとめられています。(更新時期については不明です)
ご参考になれば幸いです!ベストなオフィスが見つかると良いですね!